「働き方改革」という言葉が流行のように使われている。

「働き方」という言葉の響きには、主語が自分にあるような気がする。
つまり、自分の意志で働き方を改革する、という意味に聞こえる。

しかし、実際に自分の意思で働き方を改革できるのは、自分で仕事をしている人だけだ。

働いている人の6割を占めると言われている会社員には、自分自身の働き方を改革できる余地は、ない。

「働き方改革」は経営者から

会社員にとっての「働き方」は、企業側の裁量の中でしかない。

ビジョン(という名の、単なる目標値)を達成するには、どうやって働かせればいいのか。

…ということだけを考えている企業にとっては、正直な話、社員の働き方はどうでもいい。

そのように、社員を単なる経営道具の一つとして捉えている経営者は、意外と多い。

経営者の考え方が変わらない限り、どんな改革をしても根本的な「働き方」は何も変わらない。

「日本の人事部」と「世界のHR(Human Resources)」の違い

企業におけるHRという部門を、ご存知だろうか。

いわゆる「日本の人事部」の機能は、人事管理や労務管理だ。

それに対して、「世界のHR」に機能はなく、持っているのは使命(ミッション)だ。
その使命とは「事業を促進する部門」。
つまり、人を管理するのが目的ではなく、人を企業の貴重な資源や資本として扱う。
目的と手段が、まるで逆なのだ。

どちらが良いとか悪いとかの話をしたいのでは、ない。

問題は、時代に合っているのかどうか、変化に対応しているのかどうか、である。

「強い者が生き残るのではなく、変化に対応する者が生き残る」と言ったのは、進化論を唱えたダーウィン。

この言葉は、時代も生物も企業も関係ないだろう。

やりがいより残業代

こう考えている会社員が多いのも事実だ。
そのようなタイトルのブログが多くの共感を集めて人気が出ているのも、うなずける。

これは、別に社員が悪いのではない。
そういう仕組みを生み出した企業や社会に、責任がある。

それぞれが正しいと思っている者同士がお互いに責め合えば、そこには争いしか生まれない。
そして、争いから創造されるものは、破壊しかない。

そもそも、やりがいと給料、どっちが大切なのか?という二元論ではないのだ。
働く以上は、どっちも大切。

どちらかをおろそかにする経営なら、誰でもできる。

両方を高い次元でバランスさせる必要があるから、経営は難しいのである。

「働き方改革」という一方的な言葉に、バランスの悪さを感じるのは私だけだろうか。


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